【蝶の卵の育て方・卵の探し方】子どもと一緒に蝶を卵から育ててみませんか?

写真:ナガサキアゲハ

注意
虫が苦手な方はここで閉じてください。

先日、ぐりんぐりんという施設にいるオオゴマダラ蝶の事を書いたのですが、子どもに蝶をじっくり観察させてあげたいけど、野生の蝶ってすばしっこいので捕まえるのは大変ですよね。

捕まえられても、羽をばたつかせるから大事な鱗粉(リンプン)がはがれてしまうし、かといって狭い飼育ケースに入れると、羽が傷ついて飛べなくなってしまうこともあります。

写真:アゲハ

そういう時は、蝶を卵や幼虫から育てるのがおすすめです。羽化直後は、羽が乾くまでじっとしているので、観察するのにとてもよい時間です。

飼育するポイント

ポイントは3つだけ。

  1. 大きめの飼育ケース
  2. 葉のみではなく枝から与える
  3. 枝をペットボトルに入れ、隙間を埋める

    これだけで失敗なく楽しく飼えます!あとは卵さえ見つければOK。

①少し大きめの飼育ケース

  • 最低でも30センチくらいの大きさがよいです。
  • 100均の一番の小さい飼育ケースはおすすめできません。ペットボトルに枝をさして育てるときにフタがしまりません。
  • 100均の飼育ケースに枝を一緒に入れると、羽化した時に蝶にとって十分なスペースがありません。羽化したタイミングで気づいて出してあげられたら良いのですが、仕事や学校に行っている間に羽が乾ききるとバタバタしはじめるので、羽が折れたり傷ついて飛び立てなくなります。
  • フンがポロポロと下に落ちるので、新聞紙などを敷いてい置くとお掃除が楽です。

②葉ではなく、小枝ごと与える

ちぎった葉を与えるのがNGな理由

  • 特に菜の花は、葉をちぎって与えるとすぐにしおれてしまうので、毎日葉を摘みにくことになる。
  • 幼虫の育つ時期は梅雨時期と重なるため、雨でも毎日葉を摘みに行くことになる。
  • 摘んできた新しい葉にも、卵や幼虫が付いていることがある。(新しくちぎってきた葉に卵が付いていた場合、孵化する前に葉が枯れてしまう。)
  • 飼育ケースの中で卵つきのしおれた葉、捨てるしおれた葉、そして新しい葉がごちゃまぜになる。(古い葉を捨てる時、しおれて丸まった葉を1枚1枚広げて、そこに卵や幼虫がいないか確認しなくてはならなず、間違えて捨てやしないかと神経を使う。)

枝ごと与える方が管理が楽

葉は枝ごと取ってきて、水に差すと長持ちして飼育が楽です。たくさん取れた時は、ジップロックに入れ冷蔵庫でストックしておきましょう。

  • 葉に元気がなくなってきたら、そこへ新しい枝を差し、しばらく一緒にいれておくと、幼虫は新鮮な枝に自分で移動します。
  • 移動し終わったら古い枝を引き抜いて全体をチェック。どこにも卵や幼虫がいなかったら捨てます。
  • 古い枝にいる卵がまだ孵化していなかったら、その葉だけを残し、ほかの葉は全部捨てます。そして新しい枝に重なるように一緒に差しておけば、孵化したあと、幼虫は新葉に自分で移動します。
  • ペットボトルを取って、新聞紙を変えるだけなので掃除が楽です。

③花瓶ではなくペットボトル

枝を水に差すときは、ペットボトルのような「口の狭いもの」を選びます。ペットボトルは、100ml~350mlの小さいサイズすると飼育ケースから飛び出しません。

さらにペットボトルの口をティッシュなどを詰めて隙間を埋めます。口が広い花瓶などは幼虫が水に落ちてしまいます。

ケースにフタは必要?

ケースにふたをしなくても問題ありません。体を休めたり、脱皮のときに枝から少し離れることがありますが、幼虫の間は本能からか、葉っぱや枝から離れることはほとんどないです。

逆に、サナギになるときはケースから出ることがあります。どこへいったのかがわからないのが嫌な方や、鳥を放したり犬猫を飼っている人はフタつきの飼育ケースがいいです。

どんな葉を食べているの?

初めて育てるなら、モンシロチョウアゲハチョウ類がいいと思います。食草が比較的手に入りやすいからです。

モンシロチョウの幼虫が食べる葉

モンシロチョウは、アブラナ科のものが食草です。春になったら道端でも咲いているので見つけられると思います。

菜の花の他には、よく見かけるこのキャベツみたいな葉牡丹(はぼたん)の裏側にいます。

お子さんの小学校の花壇にも葉牡丹がよく植えてあります。あまり手入れされていないのが良いのか、高い確率で見つけられます。穴がいっぱいあいているるときはモンシロチョウの幼虫や卵があります。

ただ、葉は学校から持って帰るのはまずいので、卵がついている一枚だけをいただいたら、あとは花屋さんやホームセンターで買いましょう。葉牡丹は園芸用としても親しまれているので、手に入りやすく値段も安いです。(100円ほど)1つ買えばしばらく持ちます。

できるだけ卵がいた時の葉を与える

菜の花で卵をみつけたらなるべく菜の花を、葉牡丹でみつけたら葉牡丹を与えるようにします。急に葉を変えると食べない場合があります。

ピンチの時はブロッコリーの葉

もし、葉の確保が難しくなったら、スーパーでブロッコリーを買って葉をあげてみてください。

以前、菜の花で卵を見つけ育てていたのですが、ある日取りに行ったら菜の花が刈り取られていました。キャベツを与えてみたのですが食べてくれず、スーパーのブロッコリーについていた葉をあげたら食べてくれました。

尺取り虫と間違えないで

よく間違えやすいのが、モンシロチョウの幼虫尺取り虫の幼虫です。これはモンシロチョウの幼虫。表面に細かい毛が生えていてふわふわしています。

これもモンシロチョウの幼虫です。歩く時は背中を曲げずに一直線のままモコモコあるきます。足は全体についていて、ゆっくりのんびり移動します。

これは蛾の幼虫です。よく似ていますが毛がありません横シマ模様も入っているので見分けの参考にしてください。

尺取り虫が歩くときは背中を曲げながら移動します。早くて機敏です。元気があります。尺取り虫も蛾になります。

尺取り虫は写真のように、真ん中に足がなくあいています。

アゲハ蝶の幼虫が食べる葉

アゲハ蝶はかんきつ系の木が食草

アゲハ蝶(クロアゲハ、モンキアゲハ、ナガサキアゲハ含む)の食草は、みかん、レモン、キンカン、山椒などですが、おすすめはキンカンです。キンカンは家庭の庭木としてよく植えられていて実があるため見つけやすいです。

以前は祖父の庭にキンカンがあったので苦労しなかったのですが、都心に引っ越してからは私もなかなか見つけられなくなりました。

おすすめは個人宅の庭木です。園芸公園や手入れの行き届いている植物園などにくらべると、農薬がほとんどかかってないので幼虫が見つけやすいです。

道路きわのキンカンの木に幼虫や卵を見つけた時は、子どもと一緒にピンポンしておうちの人に話してもらっていました。キンカンを食べる害虫を探してもっていってくれるので喜んでくれる人もいます。

さすがに枝はもらえないので、見つけた後は園芸店やホームセンターで苗木を買いましょう。3月~5月くらいがおすすめです。(すでにそこに卵がついている時もあります。)

売っていない時はネットにもキンカン、レモン、みかん、山椒の木が売っています。少しお値段はかかりますが、自宅にあるとたまに卵を産みに来てくれることがあります。

アゲハの幼虫はどのくらいの葉を食べるの?

このサイズの苗木1本で、幼虫1~3匹が適当です。それ以上だと、サナギになる前に葉を全て食べつくすかもしれません。苗木を購入したら、飼育ケースや小枝を折らなくても、そのまま幼虫を置いて育てても良いと思います。

※室内に置くときはフンが落ちるので下に新聞紙などを敷きましょう。※外で育てるときは、鳥に狙われるかもしれないこと、サナギから蝶の段階を見逃がすかもしれないことを心にとめておきましょう。

柑橘系苗木がどうしてもに入らない時

柑橘系の苗木も園芸店で手に入りにくい季節があります。もしどこにも売っていない時は、苗の仕入れ問屋に問い合わせて聞いてみてください。福岡県は果樹苗木の問屋がたくさんあります。もしかしたら在庫があるかもしれません。

実は久留米市田主丸は、古くから苗木・植木の産地として栄え、日本全国の果樹苗木の約8割が田主丸産だそうです。キーワードで「田主丸 苗木」と入力するとたくさんの苗木屋さんが出てきます。個人でも売ってくれるお店がありますので当たってみてください。

キンカンの苗木なら、150センチほどでだいたい6000~7000円。福岡市内でしたらプラス2000~3000円くらいで発送をしてくれるお店もあります。

卵・幼虫を見つけるコツ

蝶が葉の上で羽をパタパタさせている時

蝶がいたら、動きをよく観察してください。羽をべたっと広げてジーっと止まっているときは、ただ羽を休めている時です。でも、葉に一瞬止まっては飛び、止まっては飛び、落ち着きのない動きを繰り返しているときは卵を産んでいる可能性が高いです。

蝶がお尻を曲げているとき

蝶がお尻をくいっと「C」みたいに曲げているのが見えた時は、卵を産んでいます。ちなみに卵は葉の表より裏の方が多いです。

やわらかい葉を探す

緑色の葉より、出てきたばかりのやわらかい黄緑色っぽい色の葉に産み付けることが多いです。生まれたての幼虫は1~2ミリで、幼虫もやわらかい葉を好んで食べます。葉牡丹も葉が固い外側より内側の葉の方が多く卵を見つけられます。

葉に穴がたくさん開いているとき

おいしくてもりもり食べているので証拠。近くにいる可能性が高いです。

黒いツブツブ(フン)が落ちている

葉に黒いゴマみたいのがに落ちていたら、直前までその周辺にいた可能性が高いです。

幼虫からサナギへ

幼虫がサナギになる時は、ケースや枝から離れることが多いです。ケースにふたをしないで育てていた時は、ありとあらゆる場所に旅に出ていました。この時は玄関に立てかけていたゴザにいました。

この時は、柱につけるタイプの扇風機のヒモにいました。

この時は私のクッション!(あぶなかった笑)

この時はカーテンレールの裏にいました。蝶になってから気づきました。しかしよくここまで登ったな・・。

写真:クロアゲハ

羽が乾くまではおとなしいので、指を差し出すとトコトコと乗ってきます。

写真:アゲハ

羽の模様を眺めたり、蜜をすう器官などをじっくり見ることができます。

写真:モンキアゲハ

羽が乾いて飛ぶ準備ができると、明るい窓際に行こうとします。

飛ぶ準備ができたら、もうじっとはしてくれないので外に放しましょう笑。

写真:アオスジアゲハ

これは、駐車場に落ちていたサナギを見つけ、家に持ち帰ってきたのですが、羽化したらアオスジアゲハでした。

アオスジアゲハは柑橘系樹木ではなく、クスノキが食草です。これがクスノキです。神社などでよくみかけます。

いかがでしたでしょうか?蝶の変態はとても楽しい体験で、図鑑では味わえない感動があります。興味のある方は卵を探しに出かけてみてください♪

モナークの思い出

最後に、私がアメリカに住んでいた時に育てていたMonarch Butterfly(モナーク・バラフライ)という蝶を紹介します。

モナークはオレンジ色をした蝶で、日本の名前は、オオカバマダラといいます。ここの記事に書いたオオゴマダラと同じマダラチヨウ科です。北アメリカでは6~8月くらいに見られます。

これがモナークの卵です

生まれた時からボーダーを着ています。かわいらしいです。

モナークは「トウワタ」という葉を食べます。このトウワタも、ぐりんぐりんにいるオオゴマダラと同じように、天然由来の「アルカロイドを持ってます。

トウワタを食べたモナークの幼虫は、この葉を体内に取り入れることで鳥などから身を守ります。

角が生えて、しましまも鮮やかになっていきます。冷たくてすべすべ。

このころになると食欲もすごいです。

アゲハ蝶と唯一違うのはサナギになるときです。まるまると太ると、ある日、お尻だけを糸でくっつけてさかさまになり頭を丸めます。このぶらんぶらんの体制になったら、サナギになる合図です。

スポッと脱皮するとツルツルのサナギになります。マダラチヨウ類なのでオオゴマダラのさなぎと形がよく似ていますね。

モナークのサナギの色はとてもきれいです。抹茶ミルク色みたいな。一本だけゴールドのラインが入っているのがオシャレですね♪ コロンとつるつるな形と色は、まるで翡翠(ひすい)のようです。※写真はぶらさがっていたのが落ちてしまったサナギ

蝶はサナギになると、一度、中で液体になるそうです。そして液体から蝶々に再構築するんですね。尊敬します。

羽化する直前、突然真っ黒になります。羽がうっすら見えています。このような色になると、だいたい翌日に蝶になります

。モナークが、幼虫・サナギ・蝶ともに色合いが派手な理由は、捕食者に危険を知らせるためと言われています。

何匹もお世話してきても、蝶は羽化する瞬間をめったに見せてくれません。多くは夜中から未明に羽化します。羽化した直後は、羽は水分を含んでいて重たいのでじっとして乾くのを待ちます。

写真の水滴は、羽化した時に体から出た水分です。こんな大きな羽をサナギの中にきれいに収めていたのがすごいですね。

羽が完全に乾くまでは逃げませんので、この時だけが蝶と触れ合れあえるゴールデンタイムです。といってもそっと載せるだけですが・・・。

さよならの時間です。あのモコモコ歩くイモムシが、こんなに可憐な姿になりました。

実はモナークは越冬するチヨウで、寒くなるとメキシコまで飛びます。この大移動に関してはたくさんの研究がされていて、理由の一つに「幼虫の食草を枯渇させないため」が挙げられるそうです。

一度だけ、最後の1匹がまだサナギになる前に、トウワタの葉が全部なくなってしまい、茎だけになった時がありました。最後の1匹はまだ体が8割くらいの大きさで、サナギになるには小さすぎる体でした。

トウワタが手に入らなくて焦るばっかりで、「もうダメかも・・」と思ったその翌日、幼虫は小さな体のままサナギになっていました。

心配しましたが2週間後、無事羽化。出てきたのは小さな蝶でしたが、元気に飛んでいきました。どんな状況下でも懸命に生きるモナークの姿にじーんとしてしまいました。

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