【大分県日田市】鯛生金山 地底博物館 110年前の坑道800mを探検!

鯛生金山 地底博物館

八女観光の途中で地図を見ていたら、「地底博物館」という文字を見つけ、こんな山奥に博物館?と気になって訪れてみました。

「博物館」とあったので、てっきりこの茶色い建物かと思ったら、ここは受付で、

博物館は、実際に金を採掘した坑道でした。ここが入り口です。

中はひやぁ~っと寒い。気温は14~15度しかないので上着があるといいです。

19世紀後半、世界がゴールドラッシュだったころ。

明治27年、この地を通りかかった魚の行商人が白い小石を拾って金山技師に見せたところ、金鉱石と判明したことから鯛生金山の物語が始まったそうです。

大正時代に経営権を得たハンスハンターというイギリス人が、イギリスから最新設備を導入し、当時としては類を見ない近代的かつ大がかりな採掘をはじめたのだとか。

坑道入口では、作業員たちの緊張をやわらげるために、努めて明るく声掛けをしていたそうです。

右のイケメンの人形が一応ハンスハンターです。

びっくりしたのがその深さ。博物館で歩けるのは、図の一番上の主坑道なのだけど、実際の金山はアリの巣のように地下に広がっています。

深さ30メートルごとに横に坑道が掘られ、なんと地下17坑道まで!

一番下は地下540メートル!東京タワーより深い!しかもその縦の穴が全部で5本も・・・。

掘られた坑道を全部繋げると、総距離110㎞。ここ大分から直線距離にして山口県下関市までらしいです。すごすぎです。

左が実際に下りていた穴。

中をのぞくと…こんなざっくりした穴を下りていたなんて。(しかもワイヤー1本!)

今のエレベーターだって500mも下りると聞いたら怖いのに・・・。

酸素はエアコンプレッサーで地下へ送っていたそうですが、十分に届いたのかしら…。

これでエレベーターを上げ下げしていたそうですが、500メートルの地底からわずか1分半ほどで巻き上げることができたそうです。結構早いですね。大正時代なのにすごいなぁ。

鉱山は固い岩盤と、際限なく湧き出してくる地下水との戦いだったらしいです。

金鉱石を満載した車を連結して運搬するバッテリー機関車。

さらに下へと道が続きます。(カエルがぴょんぴょん跳んでました!)

突然、ここだけ装飾が・・・笑。お客さんを呼ぶためにいろいろと工夫されているのがわかります。

この先の道は、入れませんでした。鉱山で働く人々がトロッコ電車で通った道だそうです。

おとなり福岡県矢部村までつながっているそうで!やることのスケールが大きくて驚くばかり。

トロリー電車と書いてあるけど、これに乗って県をまたいで通勤していたのかしら。快適そうです。

今、トロッコで矢部村まで行けたらどんなに楽しいだろう。観光ビジネスにならないものだろうか…。

黄金の夫婦鯛と名付けられたこちらの鯛。中津江村がふるさと創生基金の1億円のうち約7,300万円を費やし作られた純金鯛です。

左右合わせて50キロの純金で作った超大作でしたが、2006年に事件が起きます。

右の鯛(当時の時価6千万円)が何者かに盗まれてしまいました。

翌年、犯人は無事逮捕。しかし黄金鯛はすでに溶かされ売却されてしまっていたそうです。(しかもこの犯人、懲りずにまた岐阜県でも金塊を窃盗!)

悪い奴らから守るため左の鯛は金庫室(笑)で保管することになり、現在では両方レプリカになっています。

金庫に保管されていたもう一匹の鯛の運命ですが、2012年、三菱マテリアルに売却されます。(えー!笑)

金の値上がりによって売価はなんと約9千万円。盗難にあった分もカバーすることができたそうです。

ここでめでたしめでたしとなるのですが、これにまだ続きが。

7千万かけて作った黄金鯛ですが、展示されている間ほとんどの人がこれを本物の金だとは気づかなかったそうです。(笑っ)

最初からレプリカでよかったんじゃ…と思いましたが、売却で1,700万円の利益がでたなら大成功か笑。

行商人が見つけた1つの小石により多くの人の人生が一変した鯛生金山は、明治27年から昭和47年に閉山するまでの80年間で金40トン、銀160トンの金銀を産出したそうです。

世界中から男たちが一獲千金を夢見て入り込み、中津江村は言語、風俗習慣、 住居や飲食物も国際色豊かだったそうです。

今でこそ外国人を見ても驚かないけど、ネットもテレビない大正時代にどうやってみんなコミュニケーションをとっていたのか、いろいろ興味が尽きません。

写真:鯛生金山HP

この方がハンス・ハンター氏です。

イギリス人とありましたが、調べると日本人女性との間に生まれたハーフだそうで、神戸で幼少期を過ごしていたと書いてありました。父は日立造船の創業者であるエドワード・ハズレット・ハンター氏。

イギリスへ渡り鉱山学を学んだあと、帰国し鯛生金山を成功に導いたそうです。奥様は日本人で、晩年は東京小平の農園でひっそりと余生を送ったとされています。

終わりに

鯛生金山が近代化産業遺産に登録されたのは2007年。意外と最近なんですね。

採掘場跡を立入禁止にすることなく、今でもこうして見学できることに感謝です。

驚きの連続で非常に楽しめました。自分は今年で一番行って良かった場所でした。

鯛生金山 砂金採り

鯛生金山では砂金採り体験ができます。

鯛生金山は80年かけて金を探し求めましたが、こちらは制限時間30分。気合を入れます。

しかしこれがなかなか難しい。(私はかがむと腰が痛くて5分で棄権)

30分後、3人で採れた砂金は1粒。(小さすぎてそれもどっか行っちゃいました笑)

砂金と一緒に砂に紛れてる天然石は取れました。(子どもたちの楽しみのために入れてくれてるみたいです)

水筒ぐらいの大きさにみえますが、3センチほどの入れ物ですので興奮しちゃだめですよ。

鯛生金山 料金

大人 中高生 小学生
入坑料 1,100円 880円 550円
砂金採り 680円 680円 680円
セット券 1,550円 1,340円 1,120円
※小学1年生以下は「子供の宝の石さがし」10分330円
※2020年9月現在

鯛生金山 道の駅

同じ敷地内に「鯛生金山 道の駅」があり、地元のとれたて野菜や果物、特産品が売られています。

日田杉で作られたクリアファイル(クリアじゃないが)や、うちわなど鯛生金山でしか手に入らないものも。

イノシシ肉がありました。

受付の上にある2階レストランは休業中です。うどん屋さんは開いてました。

一番人気は金箔入り「黄金うどん」。椎茸の上に金粉が載ってます。おつゆは甘め。

鯛生金山 アスレチック

地底博物館の入り口の山にネットが張ってあるのを息子が見つけ「あれ、何だろう」と。

もしや・・。

なんと、地底博物館にフォレストアドベンチャーがありました。今年春にオープンとのこと。

実は、翌日にフォレストアドベンチャー吉野ケ里に予約を入れていたアホな私。ここにあるのがわかってたら一緒にできたのに。計画性のなさが出ました笑。

フォレストアドベンチャー奥日田は、「アドベンチャーコース」のみで、お子さんは小4または身長140センチ以上から参加できます。

我が家も翌日、吉野ケ里で同じコースを初めて体験したので、どんな感じのコースかはこちらを参考にされてください。

フォレストアドベンチャー佐賀 吉野ケ里 料金とアドベンチャーコース体験 参考 フォレストアドベンチャー奥日田フォレストアドベンチャー

鯛生金山 キャンプ場

鯛生金山のすぐとなりに「鯛生家族旅行村」があります。山小屋のあるキャンプ場なので、テントが苦手な方にもおすすめです。

写真:鯛生家族旅行村

冷暖房つきで、こたつのあるお部屋も。

写真:鯛生家族旅行村

地底博物館で遊んで、そのあとフォレストアドベンチャーでアスレチックしたら楽しい1日になりそうですね。

参考 鯛生家族旅行村公式サイト鯛生家族旅行村

鯛生金山 アクセス

MEMO
  • 鯛生金山 地底博物館
  • 〒877-0302
    大分県日田市中津江村合瀬3750
  • TEL:0973-56-5316
  • 営業時間:09:00~17:00
  • 休日:元旦、12月~3月毎週火曜
    (但し春休み期間中の火曜日は営業)
  • トイレ・自販機:あり
  • 駐車場:無料130台

鯛生金山 オフィシャルサイト

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